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古文単語「にほふ/匂ふ」の意味・解説【ハ行四段活用/ハ行下二段活用】

著者名: 走るメロス
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にほふ/匂ふ

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「にほふ」には、
①ハ行四段活用
②ハ行下二段活用
の用法がある。

①ハ行四段活用

未然形にほは
連用形にほひ
終止形にほふ
連体形にほふ
已然形にほへ
命令形にほへ


意味1:自動詞

美しく色づく、何かの色に染まる

[出典]:万葉集
「山背の久邇の都は、春されば、花咲きををり、秋されば、黄葉にほひ...」

[訳]:山背の久邇の都は、春になると花が咲き乱れ、秋になると紅葉が美しく色づき...


意味2:自動詞

美しく照り輝く、色美しく映える

[出典]万葉集 大伴家持
「春の園紅にほふ桃の花下照る道に出で立つをとめ」

[訳]:春の庭が紅色に美しく照り輝いています。桃の花が木の下まで美しく照り映えた道に出てたたずむ少女よ。


意味3:自動詞

恩恵を受けて栄える

[出典]:真木柱 源氏物語
「ほとりまでもにほふためしこそあれ...」

[訳]:縁につながる人までも恩恵を受ける前例がありますが...


意味4:自動詞

良い香がする

[出典]新古今和歌集
「橘の匂ふあたりのうたた寝は夢も昔の袖の香ぞする」

[訳]:橘の花の良い香のするあたりでうたた寝をすると、夢の中でも慣れ親しんだ昔の人の袖の香がすることです


意味5:自動詞

生き生きとした美しさに満ちている

[出典]:若菜上 源氏物語
「二十にもまだわづかなる程なれど、いとよく整ひすぐして、かたちも盛りににほひて、いみじく清らなるを...」

[訳]:二十歳にもう少しという年齢ではあるが、大変立派に成長して、顔立ちも今を盛りに生き生きとした美しさに満ちていて、たいそう気品があるのを...


意味6:他動詞

香を漂わせる、薫らせる

[出典]:古今和歌集 小野篁
「花の色は雪に交じりて見えずとも香をだににほへ人の知るべく」

[訳]:花の色は雪(の色)に交じって見えなくても、せめて香だけでも薫らせておくれ。(花が咲いていると)人が知ることができるように


②ハ行下二段活用

未然形にほへ
連用形にほへ
終止形にほふ
連体形にほふる
已然形にほふれ
命令形にほへよ


意味:他動詞

美しく色付ける、染める

[出典]:万葉集
「住吉の岸野の榛ににほふれどにほはぬ我やにほひて居らむ」

[訳]:住吉の岸野の榛で染めても(なかなか)染まらない私の心ですが、どうして人の心に染められているのでしょうか

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全訳読解古語辞典 第四版 三省堂
ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse

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