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古文単語「ばや」の意味・解説【終助詞・連語】

著者名: 走るメロス
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ばや

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「ばや」には、終助詞と連語としての用法がある。
終助詞

終助詞として用いる場合、動詞または動詞形活用の助動詞の未然形につく。願望や意志を表し、文末にのみ用いられる。

意味1:願望

〜したい、〜であればよいなあ

[出典]門出・東路の道の果て 菅原孝標女
「世の中に物語といふもののあなるを、いかで見ばやと思ひつつ...」

[訳]:世の中に物語というものがあるそうだが、どうにかして読んでみたいと思い続けて...


備考

同じく願望を表す終助詞「なむ」との違いは、「ばや」は自分に対しての願望を表すのに対し、「なむ」は自分の力ではどうすることもできない他人や自然に対しての願望を表す。「ばや」にも他人に対して「〜してほしい」という意味はあるが、「なむ」の方が程度が強い。

[出典]すける物思ひ 伊勢物語
「人知れぬわが通ひ路の関守は宵々ごとにうちも寝ななむ

[訳]:人知れず私が通う道の番人は、毎晩毎晩眠っていてほしいものです。

※自分ではどうすることもできない他人に対する願望なので、「なむ」が用いられている。
※参照「なむ/なん」の意味・解説


意味2:意志

〜しよう

※この用法は、中世以降の作品に見られる。

[出典]:謡曲 隅田川
「舟が出で候。急ぎ乗らばやと存じ候。」

[訳]:舟が出ます。急いで乗ろうと存じます。


意味3:強い打消

〜どころか全く〜ない

※この用法は、「あらばや」の形で用いられることが多く、中世以降の作品に見られる用法である。

[出典]:中華若木詩抄
「酒は飲ませたし銭はあらばや。」

[訳]:酒は飲ませたいが、銭はあるどころか全くない


連語

接続助詞「ば」+係助詞「や」からなる連語と考えられる。連語として扱う場合、活用語の未然形につく場合と已然形につく場合とで意味が異なってくる。また、係助詞「や」の影響で係り結びの法則をうけ、文末は連体形となる。

意味1:仮定への疑問

仮に〜としたら〜だろうか

※この用法の場合、活用語の未然形につく。

[出典]古今和歌集 凡河内躬恒
「心あてに折らばや折らむ初霜の置き惑わせる白菊の花」

[訳]:もし折るとするならば、あてずっぽうで折ることになるだろうか。初霜が降りて一面が真っ白になっており、見分けにくくなっている白菊の花よ。

※係り結びの法則で、係助詞「や」の係る意志の助動詞「む」が連体形となっている。


意味2:確定条件への疑問

〜だから〜なのだろうか

※この用法の場合、活用語の已然形につく。

[出典]古今和歌集 小野小町
「思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを」

[訳]:あの人のことを思いながら眠りについたから夢にでてきたのだろうか。夢と知っていたなら目を覚まさなかっただろうものを。

※係り結びの法則で、係助詞「や」の係る原因推量の助動詞「らむ」が連体形となっている。

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ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse
全訳読解古語辞典 第四版 三省堂

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