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史記『荊軻・図窮而匕首見』(秦王、朝服設九賓〜)書き下し文・現代語訳と解説

著者名: 走るメロス
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史記『荊軻・図窮而匕首見』

ここでは司馬遷が著した史記から『荊軻・図窮而匕首見』の「秦王、朝服設九賓〜」から始まる部分の書き下し文・現代語訳(口語訳)と解説を行っています。

十八史略のものとは異なるので注意してください。

白文(原文)

秦王、朝服九賓、見燕使者咸陽宮。
荊軻奉樊於期頭函。
而秦舞陽奉地図匣。
以次進至、秦舞陽色変、振恐。
群臣怪之。
荊軻顧笑舞陽、前謝曰、
「北蕃蛮夷之鄙人、未嘗見天子
故振慴。
願大王少仮借之、使得畢使於前。」


秦王謂軻曰、
「取舞陽所持地図。」



軻既取図奏之。
秦王発図。
図窮而匕首見。
因左手把秦王之袖、而右手持匕首揕之。
未至身
秦王驚、自引而起。
袖絶。
抜剣。
剣長。
操其室。
惶急、剣堅。
故不可立抜。
荊軻逐秦王。
秦王環柱而走。

書き下し文

秦王、朝服して九賓を設け、燕の使者を咸陽宮に見る。
荊軻、樊於期(はんおき)の頭函(とうかん)を奉ず。
而(しこう)して秦舞陽地図の匣(はこ)を奉ず。
次を以て進み陛に至るや、秦舞陽色変じ、振恐す。
群臣之を怪しむ。
荊軻顧みて舞陽を笑ひ、前(すす)みて謝して曰はく、
「北蕃蛮夷(ほくばんばんい)の鄙人(ひじん)にて、未だ嘗(かつ)て天子に見(まみ)えず。
故に振慴(しんしょう)す。
願はくは大王少しく之を仮借し、使ひを前に畢(を)ふるを得しめよ。」と。


秦王軻に謂ひて曰はく、
「舞陽の持する所の地図を取れ。」と。


軻既に図を取りて之を奏す。
秦王図を発(ひら)く。
図窮まりて匕首見(あらわ)る。
因りて左手に秦王の袖を把(と)り、右手に匕首を持ちて之を揕(さ)す。
未だ身に至らず。
秦王驚き、自ら引きて起(た)つ。
袖絶ゆ。
剣を抜かんとす。
剣長し。
其の室を操(と)る。
時に惶急(こうきゅう)にして、剣堅し。
故に立ちどころに抜くべからず。
荊軻秦王を逐(お)ふ。
秦王柱を環(めぐ)りて走る。

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鎌田正、米山寅太郎 著 2011 『新漢語林 第二版』大修館書店
『教科書 高等学校 古典B 漢文編』 三省堂

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