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蜻蛉日記原文全集「おほやけには例のそのころ八幡のまつりになりぬ。」

著者名: 古典愛好家
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蜻蛉日記

おほやけには例のそのころ八幡のまつりになりぬ。

おほやけには、例の、そのころ八幡のまつりになりぬ。つれづれなるをとて、しのびやかに立てれば、ことにはなやかにていみじう追ひちらすもの来(く)。たれならむとみれば、御前どもの中に例みゆる人などあり。さなりけりと思ひてみるにも、まして我が身いとはしき心ちす。簾(すだれ)まきあげ、下すだれおしはさみたれば、おぼつかなきこともなし。この車を見つけて、ふと扇(あふぎ)をさしかくしてわたりぬ。

「御文あり。」


とあるかへりごとのはしに、

「昨日はいとまばゆくてわたりたまひにき」


とかたるは、などかは、さはせでぞなりけん、わかわかしう」

と書きたりけり。かへりごとには、

「老いのはづかしさにこそありけめ。まばゆきさまにみなしけん人こそにくけれ」


などぞある。


又かきたえて十余日になりぬ。日ごろのたえまよりはひさしき心ちすれば、またいかになりぬらんとぞ思ひける。



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・蜻蛉日記原文全集「おほやけには例のそのころ八幡のまつりになりぬ。」

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長谷川 政春,伊藤 博,今西 裕一郎,吉岡 曠 1989年「新日本古典文学大系 土佐日記 蜻蛉日記 紫式部日記 更級日記」岩波書店
The University of Virginia Library Electronic Text Center and the University of Pittsburgh East Asian Library http://etext.lib.virginia.edu/japanese/

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