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蜻蛉日記原文全集「かみな月、例の年よりもしぐれがちなるころなり」

著者名: 古典愛好家
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蜻蛉日記

かみな月、例の年よりもしぐれがちなるころなり

かみな月、例の年よりもしぐれがちなるころなり。十余日のほどに、例のものする山寺に、

「もみぢも見がてら」


と、これかれいざなはるれば、ものす。今日しもしぐれふりみふらずみ、ひねもすに、この山いみじうおもしろきほどなり。

ついたちの日、

「一條の太政のおとどうせ給ひぬ」


とののしる。例の

「あないみじ」


などいひてききあへる夜、初雪七八寸のほどたまれり。あはれ、いかで君達(きんだち)あゆみ給ふらんなど、わがすることもなきままに思ひをれば、例の世中いよいよさかえののしる。

しはすの廿日あまりにみえたり。


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・蜻蛉日記原文全集「かみな月、例の年よりもしぐれがちなるころなり」

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長谷川 政春,伊藤 博,今西 裕一郎,吉岡 曠 1989年「新日本古典文学大系 土佐日記 蜻蛉日記 紫式部日記 更級日記」岩波書店
The University of Virginia Library Electronic Text Center and the University of Pittsburgh East Asian Library http://etext.lib.virginia.edu/japanese/

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