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蜻蛉日記原文全集「かくてなかなかなる身の便なきにつつみて」

著者名: 古典愛好家
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蜻蛉日記

かくてなかなかなる身の便なきにつつみて

かくてなかなかなる身の便(び)なきにつつみて、世人のさわぐおこなひもせで、二七日はすぎぬ。

十四日ばかりにふるきうへのきぬ、

「これ、いとようして」


などいひてあり。

「着るべき日は」


などあれど、いそぎも思はであるに、手結(てつかひ)のつとめて

「おそし」


とあるに、

ひさしとはおぼつかなしやからごろも うちきてなれんさておくらせよ

とあるに、たがひて、これより文(ふみ)もなくてものしたれば、

「これかうよろしかめり。まをならぬがわろさよ」


とあり。ねたさにかくものしけり。

わびてまたとくとさわげどかひなくて ほどふるものはかくこそありけれ

とものしつ。それよりのち、

「司召(つかさめし)にて」


などて音なし。



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・蜻蛉日記原文全集「かくてなかなかなる身の便なきにつつみて」

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The University of Virginia Library Electronic Text Center and the University of Pittsburgh East Asian Library http://etext.lib.virginia.edu/japanese/
長谷川 政春,伊藤 博,今西 裕一郎,吉岡 曠 1989年「新日本古典文学大系 土佐日記 蜻蛉日記 紫式部日記 更級日記」岩波書店

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