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蜻蛉日記原文全集「六月のついたちの日」

著者名: 古典愛好家
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蜻蛉日記

六月のついたちの日

六月のついたちの日、

「御物忌(ものいみ)なれど、御門(みかど)のしたよりも」


とて文(ふみ)あり。あやしくめづらかなりと思ひてみれば、

「忌(いみ)は今はもすぎぬらんを、いつまであるべきにか。住み所いとびんなかめりしかば、え物せず。物詣(ものまう)ではけがらひいできて、とどまりぬ」


などぞある。ここにと、今まで聞かぬやうもあらじと思ふに、心うさもまさりぬれど、念じて返りごと書く。

「いとめづらしきはおぼめくまでなむ。ここにはひさしくなりぬるを、げにいかでかはおぼしよらん。さても見給ひしあたりとはおぼしかけぬ御ありきの、たびたびになん。すべて今まで世にはべる身のおこたりなれば、さらにきこえず」


と物しつ。                            



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・蜻蛉日記原文全集「六月のついたちの日」

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The University of Virginia Library Electronic Text Center and the University of Pittsburgh East Asian Library http://etext.lib.virginia.edu/japanese/
長谷川 政春,伊藤 博,今西 裕一郎,吉岡 曠 1989年「新日本古典文学大系 土佐日記 蜻蛉日記 紫式部日記 更級日記」岩波書店

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