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蜻蛉日記原文全集「このごろは四月」

著者名: 古典愛好家
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蜻蛉日記

このごろは四月

このごろは四月。祭見に出でたれば、かの所にも出でたりけり。さなめりと見て、むかひに立ちぬ。待つほどのさうざうしければ、橘の実などあるに、葵(あふひ)
をかけて、

あふひとかきけどもよそにたちばなの

といひやる。ややひさしうありて、

きみがつらさをけふこそはみれ

とぞある。

「にくかるべきものにては年へぬるを、など「今日」とのみいひたらん」


といふ人もあり。かへりて、

「さありし」


などかたれば

「「食ひつぶしつべき心ちこそすれ」とやいはざりし」


とていとをかしと思ひけり。                            



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・蜻蛉日記原文全集「このごろは四月」

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長谷川 政春,伊藤 博,今西 裕一郎,吉岡 曠 1989年「新日本古典文学大系 土佐日記 蜻蛉日記 紫式部日記 更級日記」岩波書店
The University of Virginia Library Electronic Text Center and the University of Pittsburgh East Asian Library http://etext.lib.virginia.edu/japanese/

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