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蜻蛉日記原文全集「年かへりてなでふこともなし」

著者名: 古典愛好家
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蜻蛉日記

年かへりてなでふこともなし

年かへりて、なでふこともなし。人の心のことなるときは、よろづをひらかにぞありける。このついたちよりぞ、殿上(てんじょう)ゆるされてある。みそぎの日、例の宮より、

「物みられば、その車にのらん」


との給へり。御ふみのはしに、かかることあり。

わかとしの  

例の宮にはおはせぬなりけり。町の小路わたりかとてまゐりたれば、うべなく

「おはします」


といひけり。まづ硯こひて、かく書きていれたり。

きみがこのまちのみなみにとみにおそき はるにはいまぞたづねまゐれる

とて、もろともに出でたまひにけり。


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・蜻蛉日記原文全集「年かへりてなでふこともなし」

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長谷川 政春,伊藤 博,今西 裕一郎,吉岡 曠 1989年「新日本古典文学大系 土佐日記 蜻蛉日記 紫式部日記 更級日記」岩波書店
The University of Virginia Library Electronic Text Center and the University of Pittsburgh East Asian Library http://etext.lib.virginia.edu/japanese/

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