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蜻蛉日記原文全集「さて九月ばかりになりて」

著者名: 古典愛好家
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蜻蛉日記

さて九月ばかりになりて

さて九月ばかりになりて、出でにたるほどに、箱のあるを手まさぐりにあけて見れば、人のもとにやらんとしける文あり。あさましさに、見てけりとだに知られんと思ひてかきつく。

うたがはしほかにわたせるふみみれば ここやとだえにならんとすらん

など思ふほどに、むべなう十月つごもりがたに三夜(みよ)しきりて見えぬときあり。つれなうて

「しばし心みるほどに」


など、けしきあり。           
              
               
                
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・蜻蛉日記原文全集「さて九月ばかりになりて」

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長谷川 政春,伊藤 博,今西 裕一郎,吉岡 曠 1989年「新日本古典文学大系 土佐日記 蜻蛉日記 紫式部日記 更級日記」岩波書店
The University of Virginia Library Electronic Text Center and the University of Pittsburgh East Asian Library http://etext.lib.virginia.edu/japanese/

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