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枕草子 原文全集「いみじうしたたてて婿どりたるに」

著者名: 古典愛好家
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いみじうしたたてて婿どりたるに

いみじうしたたてて婿どりたるに、ほどもなく住むまぬ婿の、舅(しうと)にあひたる、いとおしとや思ふらむ。


ある人の、いみじう時にあひたる人の婿になりて、ただ一月ばかりもはかばかしう来(こ)でやみにしかば、すべていみじういひさわぎ、乳母などやうのものは、まがまがしきことなどいふもあるに、そのかへる正月に蔵人になりぬ。あさましう、かかるなからひにはいかで、とこそ人は思ひたれ、など、いひあつかふは聞くらむかし。
 

六月に、人の八講し給ふ所に、人々あつまりて聞きしに、蔵人になれる婿の、れうのうへの袴、黒半臂など、いみじうあざやかにて、忘れにし人の車の鴟(とび)の尾といふものに、半臂の緒をひきかけつばかりにてゐたりしを、いかに見るらむと、車の人々も知りたるかぎりはいとほしがりしを、こと人々も、

「つれなくゐたりしものかな」


など、後にもいひき。
 

なほ、男は、もののいとほしさ、人の思はむことは知らぬなめり。


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・枕草子 原文全集「いみじうしたたてて婿どりたるに」

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萩谷朴 1977年「新潮日本古典集成 枕草子 下」 新潮社
松尾聰,永井和子 1989年「完訳 日本の古典 枕草子」小学館
渡辺実 1991年「新日本古典文学大系 枕草子・方丈記」岩波書店

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