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枕草子 原文全集「五月四日の夕つ方/賀茂へまゐる道に」

著者名: 古典愛好家
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五月四日の夕つ方

五月四日の夕つ方、青き草おほくいとうるはしく切りて、左右(ひだりみぎ)になひて、赤衣着たる男のゆくこそをかしけれ。

賀茂へまゐる道に

賀茂へまゐる道に、田植うとて、女の、あたらしき折敷(おしき)のやうなるものを笠にきて、いとおほうたちて、歌を歌ふ。おれふすやうに、また、何事するともみえで、うしろざまにゆく。いかなるにかあらむ、をかしとみゆるほどに、ほととぎすをいとなめう歌ふ、聞くにぞ心うき。

「ほととぎす、おれ、かやつよ。おれなきてこそ、我は田植うれ」


と歌ふを聞くも、いかなる人か、

「いたくななきそ」


とはいひけむ。仲忠が童生ひいひおとす人と、ほととぎす、鴬におとるといふ人こそ、いとつらうにくけれ。

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・枕草子 原文全集「五月四日の夕つ方/賀茂へまゐる道に」

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松尾聰,永井和子 1989年「完訳 日本の古典 枕草子」小学館
渡辺実 1991年「新日本古典文学大系 枕草子・方丈記」岩波書店
萩谷朴 1977年「新潮日本古典集成 枕草子 下」 新潮社

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