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枕草子 原文全集「人ばへするもの」

著者名: 古典愛好家
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人ばへするもの

人ばへするもの。ことなることなき人の子の、さすがにかなしうしならはしたる。しわぶき。はづかしき人にものいはむとするに、先に立つ。


あなたこなたにすむ人の子の、四つ五つなるは、あやにくだちて、ものとりちらしそこなふを、ひきはられ、制せられて、心のままにもえあらぬが、親のきたるに所得て、

「あれ見せよ。やや、はは」


などひきゆるがすに、大人どものいふとて、ふと聞きいれねば、手づからひきさがし出でて、見さわぐこそ、いとにくけれ。それを、

「まな」


ともとりかくさで、

「さなせそ、そこなふな」


などばかり、うち笑みいふこそ、親もにくけれ。我はた、えはしたなうもいはで見るこそ、心もとなけれ。



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・枕草子 原文全集「人ばへするもの」

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萩谷朴 1977年「新潮日本古典集成 枕草子 下」 新潮社
松尾聰,永井和子 1989年「完訳 日本の古典 枕草子」小学館
渡辺実 1991年「新日本古典文学大系 枕草子・方丈記」岩波書店

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