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枕草子 原文全集「くちをしきもの」

著者名: 古典愛好家
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くちをしきもの

くちをしきもの。五節、御仏名(みぶつみょう)に雪ふらで、雨のかきくらしふりたる。

節会(せちゑ)などに、さるべき御物忌のありたる。

いとなみ、いつしかと待つことの、さはりあり、にはかにとまりぬる。

あそびをもし、見すべきことありて、よびにやりたる人の来(こ)ぬ、いとくちをし。


男も女も、法師も、宮仕所などより、おなじやうなる人もろともに寺へもまうでものへもいくに、このましうこぼれ出で、用意よく、いはばけしからず、あまり見苦しとも見つくべくぞあるに、さるべき人の、馬にても車にても、ゆきあひ見ずなりぬる、いとくちをし。

わびては、すきずきしき下衆(げす)などの、人などに語りつべからむをがな、と思ふもいとけしからず。



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・枕草子 原文全集「くちをしきもの」

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萩谷朴 1977年「新潮日本古典集成 枕草子 上」 新潮社
松尾聰,永井和子 1989年「完訳 日本の古典 枕草子」小学館
渡辺実 1991年「新日本古典文学大系 枕草子・方丈記」岩波書店

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