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枕草子 原文全集「殿司こそなほをかしきものはあれ/郎等は」

著者名: 古典愛好家
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殿司こそ、なほをかしきものはあれ

殿司(とのもづかさ)こそ、なほをかしきものはあれ。

下(しも)女のきはは、さばかりうらやましきものはなし。

よき人にもせさせまほしきわざなめり。

若くかたちよからむが、なりなどよくてあらむは、ましてよからむかし。

すこし老いてものの例知り、面(おも)なきさまなるも、いとつきづきしくめやすし。

殿司の、顔愛敬づきたらむ、ひとり持たりて、装束時にしたがひ、裳・唐衣(からぎぬ)などいまめかしくてありかせばや、とこそおぼゆれ。


郎等は

郎等(をのこ)は、また、随身(ずいじん)こそあめれ。

いみじう美々しうてをかしき君達も、随身なきはいとしらじらし。

弁などは、いとをかしき司(つかさ)に思ひたれど、下襲(したがさね)のしり短くて、随身のなきぞいとわろきや。



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・枕草子 原文全集「殿司こそなほをかしきものはあれ/郎等は」

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松尾聰,永井和子 1989年「完訳 日本の古典 枕草子」小学館
萩谷朴 1977年「新潮日本古典集成 枕草子 上」 新潮社
渡辺実 1991年「新日本古典文学大系 枕草子・方丈記」岩波書店

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