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枕草子 原文全集「心ときめきするもの/過ぎにし方恋しきもの」

著者名: 古典愛好家
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心ときめきするもの

心ときめきするもの。雀の子飼ひ。ちごあそばする所の前わたる。

よきたき物たきて、ひとり伏したる。唐鏡(からかがみ)の少し暗き見たる。よき男の、車とどめて案内(あない)し問はせたる。
 
かしら洗ひ、化粧(けさう)じて、かうばしうしみたる衣などきたる。ことに見る人なき所にても、心のうちはなほいとをかし。待人(まつひと)などのある夜。雨の音、風の吹きゆるがすも、ふとおどろかる。


過ぎにし方恋しきもの

過ぎにし方恋しきもの。かれたる葵(あふひ)。雛(ひいな)あそびの調度。

二藍、葡萄染(えびぞめ)などのさいでの、押しへされて草子(さうし)の中などにありける、見つけたる。また、折からあはれなりし人の文、雨など降りつれづれなる日さがし出(いで)たる。去年のかはほり。

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・枕草子 原文全集「心ときめきするもの/過ぎにし方恋しきもの」

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萩谷朴 1977年「新潮日本古典集成 枕草子 上」 新潮社
松尾聰,永井和子 1989年「完訳 日本の古典 枕草子」小学館
渡辺実 1991年「新日本古典文学大系 枕草子・方丈記」岩波書店

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