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枕草子 原文全集「おいさきなく、まめやかに」

著者名: 古典愛好家
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おいさきなく、まめやかに

おいさきなく、まめやかに、ゑせざいはいなど見てゐたらむ人は、いぶせくあなづらはしく思ひやられて、なを、さりぬべからむ人のむすめなどは、さしまじらはせ、世のありさまもみせならはさまほしう、内侍のすけなどにて、しばしもあらせばや、とこそおぼゆれ。

宮仕へをする人を、あはあはしうわるきことにいひ思ひたるをとこなどこそ、いとにくけれ。げにそもまたさることぞかし。かけまくもかしこきおまへをはじめ奉りて、上達部、殿上人、五位四位はさらにもいはず、見ぬ人はすくなくこそあらめ、女房の従者(ずさ)その里よりくる物、長女、御厠人の従者、たびしかはらといふまで、いつかはそれを恥づかくれたりし。殿原などは、いとさしもやあらざらん。

それもあるかぎりは、しかさぞあらん。上などいひてかしづきすへたらむに、心にくからずおぼえむ、ことわりなれど、また内の内侍のすけなどいひて、折々内へまいり、祭りの使などに出でたるも、おもだたしからずやはある。

さて、こもりいぬるは、まいてめでたし。受領の五節いだすおりなど、いと鄙びいひしらぬことなど、人にとひききなどはせじかし。心にくき物なり。



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・枕草子 原文全集「おいさきなく、まめやかに」

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松尾聰,永井和子 1989年「完訳 日本の古典 枕草子」小学館
渡辺実 1991年「新日本古典文学大系 枕草子・方丈記」岩波書店
萩谷朴 1977年「新潮日本古典集成 枕草子 上」 新潮社

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