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『あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る』 わかりやすい現代語訳と品詞分解

著者名: 走るメロス
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はじめに

このテキストでは、万葉集で詠まれている「あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」という歌について説明していきます。

原文

あかねさす紫野行き標野(しめの)行き 野守は見ずや袖振る

現代語訳

紫草の生えた野を、あっちに行ったりこっちに行ったりしながらそんなことをなさって。野の番人に見られてしまうではないですか、あなたが私に袖を振るのを。

解説

この句は額田王が詠んだものです。額田王は、大海人皇子と結婚をして子どもをもうけていましたが、この歌を詠んだときには、大海人皇子とは別れて、天智天皇(大化の改新で有名な中大兄皇子。。大海人皇子のお兄さん)と恋人関係にありました。

宴会の席で額田王は、大海人皇子との昔の関係をネタにして1句詠んだのです。

今は天智天皇と付き合っているけれど、大海人皇子も私も、実はまだお互いに気があって、彼は袖を振って好きだと伝えてくるわ。そんなあちこちで袖を振っていたら、警備の人がこれをみて、私たちの秘めた恋がばれてしまうじゃないの。


もちろん、大海人皇子に対するいじわるではなくて、ただのネタです。その場にいた大海人皇子は、この句を聞いて、歌を返します。それが

紫草のにほへる妹を憎くあらば人妻ゆゑに我恋ひめやも

という句です。

単語


あかねさす紫にかかる枕詞
標野一般人の立ち入りが禁じられた土地。ここでは額田王の相手である大海人皇子の御料地と考えるのが妥当
野守御料地を守っている警備担当の人。天智天皇という説もある
女性が男性を呼うときに使った
袖振る愛情を示したり、悲しみを表すときにするしぐさ


品詞分解

あかねさす枕詞
紫野
行きカ行四段活用・連用形
標野
行きカ行四段活用・連用形
野守
係助詞
マ行上一段活用・未然形
打ち消しの助動詞の終止形
疑問の係助詞
格助詞
振るラ行四段活用・連体形

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佐竹昭広、前田金五郎、大野晋 編1990 『岩波古語辞典 補訂版』 岩波書店
『教科書 精選国語総合』 東京書籍
『教科書 高等学校国語 国語総合』 東京書籍

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