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『鶏鳴狗盗』書き下し文・わかりやすい現代語訳(口語訳)と文法解説

著者名: 走るメロス
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『鶏鳴狗盗』

ここでは、中国の故事である鶏鳴狗盗(靖郭君田嬰者、宣王之庶弟也〜)の原文、書き下し文と現代語訳(口語訳)そしてその解説を記しています。

鶏鳴狗盗の意味

この故事は、


①鶏(にわとり)の鳴きまねをして人を欺いたり、狗(いぬ)のように忍び込んで物を盗むことしかできない者の意で、つまらないことしかできない下賤(げせん)な者

②とるにたらない小人物でも使い方によっては役だつ
【出典:日本大百科全書 小学館】


という意味を持つ四字熟語、「鶏鳴狗盗」の由来になったものです。

白文

靖郭君田嬰者、宣王之庶弟也。
封於薛。
有子曰文。
食客数千人。
名声聞於諸侯。
号為孟嘗君。

秦昭王聞其賢、乃先納質(※ⅰ)於斉、以求見。
至則止、囚欲殺之。
孟嘗君、(※ⅱ)使人抵昭王幸姫求解
姫曰、

「願得君狐白裘。」


蓋孟嘗君、嘗以献昭王、無他裘(※ⅲ)矣
客有能為狗盗者。
入秦蔵中、取裘以献姫。
姫為言得釈。

即馳去、変姓名、夜半至函谷関。
関法、鶏鳴方出客。
恐秦王後悔追之。
客有能為鶏鳴者。
鶏尽鳴。
遂発伝。
出食頃、追者果至、(※ⅳ)而不及。

孟嘗君、帰怨秦、与韓魏伐之、入函谷関。
秦割城以和。

書き下し文

靖郭君田嬰者、宣王之庶弟也。
靖郭君(せいかくくん)田嬰(でんえい)は、宣王の庶弟なり。
(※別解:靖郭君田嬰は⇒靖郭君田嬰なる者は)

封於薛。
薛(せつ)に封ぜらる。

有子曰文。
子有り文と曰ふ。

食客数千人。
食客数千人。

名声聞於諸侯。
名声諸侯に聞こゆ。

号為孟嘗君。
号して孟嘗君と為す。


秦昭王聞其賢、乃先納質於斉、以求見。
秦の昭王其の賢なるを聞き、乃ち先づ質を斉に納(い)れ、以つて見(まみ)えんことを求む。
(※別解:賢なるを⇒賢を)
(※別解:納れ⇒納れて)
(※別解:見えんことを⇒見んことを)

至則止、囚欲殺之。
至れば則ち止(とど)め、囚へて之を殺さんと欲す。

孟嘗君、使人抵昭王幸姫求解。
孟嘗君、人をして昭王の幸姫に抵(いた)り解かんことを求めしむ。
(※別解:抵り⇒抵りて)

姫曰、
姫曰く、

「願得君狐白裘。」
願はくは君の狐白裘を得ん。」と。


蓋孟嘗君、嘗以献昭王、無他裘矣。
蓋(けだ)し孟嘗君、嘗て以つて昭王に献じ、他の裘無し。

客有能為狗盗者。
客に能く狗盗を為す者有り。

入秦蔵中、取裘以献姫。
秦の蔵中に入り、裘を取りて以つて姫に献ず。

姫為言得釈。
姫為に言ひて釈(ゆる)さるるを得たり。


即馳去、変姓名、夜半至函谷関。
即ち馳せ去り、姓名を変じて、夜半に函谷関に至る。

関法、鶏鳴方出客。
関の法、鶏鳴きて方(まさ)に客を出だす。

恐秦王後悔追之。
秦王の後に悔いて之を追はんことを恐る。

客有能為鶏鳴者。
客に能く鶏鳴を為す者有り。

鶏尽鳴。
鶏尽(ことごと)く鳴く。

遂発伝。
遂に伝を発す。

出食頃、追者果至、而不及。
出でて食頃(しょくけい)にして、追う者果たして至るも、及ばず。


孟嘗君、帰怨秦、与韓魏伐之、入函谷関。
孟嘗君、帰りて秦を怨み、韓魏と之を伐ち函谷関に入る。
(※別解:伐ち⇒伐ちて)

秦割城以和。
秦城を割き以つて和す。
(※別解:割き⇒割きて)

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『教科書 高等学校 国語総合 古典編』 三省堂
『教科書 国語総合』 教育出版
『教科書 探求国語総合』 桐原書店
『教科書 新編国語総合』 大修館書店
鎌田正、米山寅太郎 著 2011 『新漢語林 第二版』大修館書店

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