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王翰『涼州詞(涼州の詞)』 書き下し文・現代語訳(口語訳)と文法解説

著者名: 走るメロス
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はじめに

ここでは、唐の詩人王翰(おうかん)の詠んだ漢詩「(※1)涼州詞」の原文(白文)、書き下し文、現代語訳・口語訳とその解説を記しています。

原文(白文)

※左から右に読んでください。

葡 萄 美 酒 夜 光 杯
欲 飲 琵 琶 馬 上 催
酔 臥 沙 場 君 莫 笑
古 来 征 戦 幾 人 回

書き下し文

葡 萄 美 酒 夜 光 杯
葡萄の美酒夜光の杯
ぶどうのびしゅやこうのはい

欲 飲 琵 琶 馬 上 催
飲まんと欲すれば琵琶馬上に催す
ほまんとほっすればびわばじょうにもよほす

酔 臥 沙 場 君 莫 笑
酔ひて沙場に臥す君笑ふこと莫かれ
ゑいてさじょうにふすきみわらふことなかれ

古 来 征 戦 幾 人 回
古来征戦幾人か回る
こらいせいせんいくにんかかへる

現代語訳(口語訳)

葡萄の美酒(※2)夜光の杯
ぶどうで作ったうまい酒を、(月光を受けて)夜光の杯にそそぐ

飲まんと(※3)欲すれば琵琶馬上に(※4)催す
飲もうとすると、琵琶の音が馬の上で鳴り響いた

酔ひて(※5)沙場に臥す君笑ふこと莫かれ
酔って砂漠に倒れ伏してしまっても、君よ、笑ってはいけない

古来(※6)征戦(※7)幾人か回る
昔から、戦争に行った者のうちどれだけの人が帰ってきただろうか。(私たちも明日もしれない身なのだから)

文法解説

形式:七言絶句

4つの句からなる詩を絶句(ぜっく)といい、8つの句からなる詩を律詩(りっし)といいます。例えばこの詩では、「葡萄美酒夜光杯」を1句と考えます。この詩は4つの句からなるので、絶句です。

また、絶句のうち1つの句が5文字からなるものを五言絶句(ごごんぜっく)といい、1つの句が7字からなるもの七言絶句(しちごんぜっく)といいます。

以上から、この句は「七言絶句」となります。

押韻:杯・催・回

押韻(おういん)とは、漢詩を読んだ時に一定のリズムが出るように、同じ響きの言葉を句の最後に置くことです。この詩では、

杯(Hai)、催(Sai)、回(Kai)

が該当します。カッコの中は日本語の音読みです。だいたいが日本語の音読みで判別することができますが、本来は、作者が生きた時代の発音で韻を踏んでいるかどうかを確認します。よって日本語の音読みだけでは判別ができない押韻も存在します。

押韻にはルールがあります。七言絶句では、原則として第1句、第2句、第4句に同じ響きの言葉が置かれます。

対句

なし。

単語

(※1)涼州涼州とは中国北西部の甘粛省を指す。古くから西国やモンゴルとの戦いが絶えなかったので、涼州を歌った「涼州詞」は兵士の歌の代名詞となっており、王翰のほかにも王之渙という詩人も涼州詞というタイトルの漢詩を詠んでいる。
(※2)夜光杯月の明かりを受けて光る杯、または白玉で作られた杯
(※3)欲欲求や願いを表すときに使う文字であるが、ここでは「~しようとする」の意
(※4)催す「鳴り響いた」と訳しているが、「(酒興を)催す」の意で訳されることもある
(※5)沙場砂漠
(※6)征戦戦争に行く
(※7)幾人反語


練習問題にチャレンジ!

『涼州詞(涼州の詞)』テストに出題されそうな問題
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鎌田正、米山寅太郎 著 2011 『新漢語林 第二版』大修館書店
『教科書 国語総合 古典編』 東京書籍
『教科書 高等学校 国語総合 古典編』 東京書籍
『教科書 国語総合』 桐原書店
『教科書 精選国語総合』 東京書籍

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