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古文単語「はかなし」の意味・解説【形容詞ク活用】
著作名: 走るメロス
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はかなし/果無し/果敢無し

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形容詞・ク活用

未然形はかなくはかなから
連用形はかなくはかなかり
終止形はかなし
連体形はかなきはかなかる
已然形はかなけれ
命令形はかなかれ


意味1

頼るものがない、心細い、弱々しい

[出典]物語・源氏の五十余巻 更級日記
「鳥辺山谷に煙の燃え立たばはかなく見えしわれと知らなむ 」

[訳]:鳥辺山の谷に煙が燃え立ったならば、弱々しく見えた私だと知ってください。


意味2

頼りない、あっけない

[出典]:宇治拾遺物語
「桜ははかなきものにて、かく程なくうつろひ候ふものなり。」

[訳]:桜はあっけないもので、このように間もなく散ってしまうものです。


意味3

むなしい、無情である

[出典]建礼門院右京大夫集
「なべて世のはかなきことを悲しとはかかる夢見ぬ人や言ひけん 」

[訳]:一般に、世の中の死のことを無情であると思うのは、このような悪夢を見ていない人が言ったことでしょうか。


意味4

取るに足らない、大したことのない

[出典]澪標・住吉参詣 源氏物語
「「内大臣殿の御願果たしに詣で給ふを、知らぬ人もありけり。」とて、はかなきほどの下衆だに、心地よげにうち笑ふ。」

[訳]:「内大臣殿が願ほどきに参詣なさるのを、知らない人もいるものだなあ。」といって、取るに足らない身分の低い者までもが、(明石の君のことを)得意気に笑います。


意味5

幼い、しっかりしていない

[出典]若紫 源氏物語
「いとはかなうものし給ふこそ、あはれにうしろめたけれ。」

[訳]:たいへん幼くいらっしゃるのが、どうしようもなく先が気がかりです。

※「はかなう」は「はかなし」の連用形のウ音便


意味6

あさはかだ、愚かだ

[出典]物語・源氏の五十余巻 更級日記
「「我はこのごろわろきぞかし。盛りにならば、容貌も限りなくよく、髪もいみじく長くなりなむ。光の源氏の夕顔、宇治の大将の浮舟の女君のやうにこそあらめ。」と思ひける心、まづいとはかなくあさまし。 」

[訳]:「私はまだ器量がよくないわ。(しかし)年ごろになれば、見た目もこの上なく美しく、髪もきっとたいそう長くなるだろう。きっと光源氏の愛人の夕顔、宇治の大将の愛人の浮舟の姫君のようになるのだろう。」と思っていた心は、(今思うと)あさはかで、呆れ果てたものである。


意味7

粗末である、卑しい

[出典]:枕草子 清少納言
「九月二十日余りのほど、長谷に詣でて、いとはかなき家に泊まりたりしに...」

[訳]:九月二十日過ぎのころ、長谷寺にお参りをして、たいそう粗末な家に泊まったところ...


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