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古文単語「なむ/なん」の意味・解説【係助詞・終助詞】
著作名: 走るメロス
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なむ/なん

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「なむ/なん」には、
・係助詞
・終助詞
連語
助動詞
動詞
名詞
としての用法がある。この中で学習上重要とされるのは、係助詞、終助詞、連語としての用法であるが、ここでは、①係助詞、②終助詞の用法の解説を行う。

※参照:連語の用法
※参照:助動詞/動詞/名詞の用法

①係助詞

用法:強調

文中の語を強調するために使われる

※この用法の場合、文意を強調するために使用され、現代語訳できないことも多い。係り結びの法則により文末は連体形となる。

通常の係り結び

[出典]竹取物語
「その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける

[訳]:その竹の中に、根元が光る一本の竹がありました

※「なむ」を受けて過去を表す助動詞「けり」が連体形「ける」となっている。


係り結びの省略

[出典]東下り 伊勢物語
「渡守に問ひければ、 「これなむ都鳥」 といふを聞きて...」

[訳]:船頭に尋ねてみると、 「これは都鳥だ」 と言うのをを聞いて...

※本来であれば「これなむ都鳥なる」となるはずが、「なむ」が係るはずの言葉が省略されている。これを「係り結びの省略」と言う。結びがなくても文意が伝わるときや、余情を表したいときに用いられる。


係り結びの流れ・消滅

[出典]門出・馬のはなむけ 土佐日記
「年ごろ、よくくらべつる人々なむ、別れ難く思ひて、日しきりにとかくしつつ、ののしるうちに、夜更けぬ。」

[訳]:ここにいた数年、親しくしてくれた人たちとは別れがつらく思えて、一日中なんやかんやとしながら騒いでいるうちに、夜がふけてしまった。

※「思ひて」は本来であれば「なむ」が係るので「思ふ」となるはずが、接続助詞「て」が付いて係り結びにはなっていない。会話文や手紙などで多様される表現方法で、「係り結びの流れ/係り結びの消滅」という。


②終助詞

意味:願望

〜してもらいたい、〜してほしい

※この用法の場合、活用語の未然形に付く。

[出典]通ひ路の関守 伊勢物語
「人知れぬわが通ひ路の関守は宵々ごとにうちも寝ななむ

[訳]:人に知られることなく私が通う道の番人は、毎晩毎晩眠っていてほしいものです。

※「なむ」は強意の助動詞「ぬ」の未然形についている


備考

願望を表す終助詞「ばや」との違いは、「なむ」が自分の力ではどうすることもできない他人や自然に対しての願望であるのに対し、「ばや」は自分に対しての願望を表す。

[出典]門出・東路の道の果て 更級日記
「世の中に物語といふもののあなるを、いかで見ばやと思ひつつ...」

[訳]:世の中に物語というものがあるそうだが、どうにかして読んでみたいと思い続けて...

※自分に対する願望なので「ばや」が用いられている。
※参照「ばや」の意味・解説


※参照:連語の用法
※参照:助動詞/動詞/名詞の用法

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