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蜻蛉日記原文全集「助をあけくれ呼びまとはせば」
著作名: 古典愛好家
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蜻蛉日記

助をあけくれ呼びまとはせば

助をあけくれ呼びまとはせば、つねにものす。女絵をかしくかきたりけるがありければ、とりてふところに入れてもてきたり。見れば釣殿とおぼしき高欄(かうら)におしかかりて、中島の松をまぼりたる女あり。そこもとに、紙のはしにかきて、かくおしつく。

いかにせんいけの水なみさわぎては 心のうちのまつにかからば

また、やもめ住みしたる男の、文(ふみ)かきさしてつらづゑつきて、ものおもふさましたるところに、

ささがにのいづこともなくふくかぜは かくてあまたになりぞすらしも

とものして、もてかへりおきけり。




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