manapedia
蜻蛉日記原文全集「さてこのしもつきに」
著作名: 古典愛好家
2,415 views
蜻蛉日記

さてこのしもつきに

さてこのしもつきに、県(あがた)ありきのところに産屋(うぶや)のことありしを、えとはですぐしてしを、五十日(いか)になりにけん、これにだにと思ひしかど、ことごとしきわざはえものせず、ことほきをぞさまざまにしたる、例のことなり。白う調じたる籠(こ)、梅の枝につけたるに、

ふゆごもりゆきにまどひしをりすぎて けふぞかきねのむめをたづぬる

とて、帯刀(たちばき)のをさそれがしなどいふ人、使にて、夜にいりてものしけり。使つとめてぞかへりたる。うすいろの袿(うちき)ひとかさねかづきたり。

えだわかみゆきまにさけるはつはなは いかにととふににほひますかな

などいふほどに、おこなひのほどもすぎぬ。




このテキストを評価してください。
役に立った
う~ん・・・
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。