manapedia
蜻蛉日記原文全集「さはれよろづにこのよのことはあいなく思ふを」
著作名: 古典愛好家
2,500 views
マナペディア(manapedia)とは、中学校・高等学校で勉強する科目に特化した、マナビを共有し合う場です。たくさんのテキストの中からあなたにあったマナビを探したり、あなたが学習・勉強してきたマナビを形に残したりすることができます。テキストの内容に関しては、他の参考文献をご覧になり、ご自身の責任のもとご判断・ご利用頂きますようお願い致します。

蜻蛉日記

さはれよろづにこのよのことはあいなく思ふを

さはれ、よろづにこのよのことはあいなく思ふを、去年(こぞ)の春、呉竹うゑんとてこひしを、このごろ

「たてまつらん」


といへば、

「いさや、ありもとぐまじう思ひにたる世の中に、心なげなるわざをやしおかん」


といへば、

「いと心せばき御ことなり。行基菩薩はゆくすゑの人のためにこそ、実なる木はうゑたまひけれ」


などいひて、おこせたれば、あはれにありしところとて、見む人も見よかしと思ふに、涙こぼれてうゑさす。二日ばかりありて雨いたくふり、東風(こちかぜ)はげしくふきて一(ひと)すぢ二すぢうちかたぶきたれば、いかでなほさせん、雨間もがなと思ふままに、

なびくかなおもはぬかたにくれ竹の うきよのすゑはかくこそありけれ




このテキストを評価してください。
役に立った
う~ん・・・
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。