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蜻蛉日記原文全集「またの日はこうじ暮らして」
著作名: 古典愛好家
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蜻蛉日記

またの日はこうじ暮らして

またの日はこうじ暮らして、あくる日、をさなき人

「殿へ」


と出で立つ。あやしかりけることもや問はましと思ふも物うけれど、ありし浜辺を思ひ出づる心ちのしのびがたきにまけて、

うきよをばかばかり水(みつ)のはまべにて なみだになごりありやとぞみし

とかきて、

「これ見給はざらんほどに、さしおきてやがて物しね」


と教へたれば、

「さしつ」


とて帰りたり。もし見たるけしきもやと、した待たれけむかし。されどつれなくて、つごもりごろになりぬ。





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