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蜻蛉日記原文全集「その前の五月雨の廿余日のほど」
著作名: 古典愛好家
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蜻蛉日記

その前の五月雨の廿余日のほど

その前の五月雨の廿余日のほど、物忌みもあり、ながき精進(しょうじ)もはじめたる人、山寺にこもれり。雨いたくふりて、ながむるに、

「いとあやしく心ぼそきところになん」


などもあるべし。かへりごとに、

ときしもあれかくさみだれの水まさり をちかた人のひをもこそふれ

と物したるかへし、

ましみづのましてほどふる物ならば おなじぬまにぞおりもたちなむ

といふほどに、うるう五月にもなりぬ。
            
            
         

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