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蜻蛉日記原文全集「つごもりの日になりてなまといふ物心みるを」
著作名: 古典愛好家
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蜻蛉日記

つごもりの日になりてなまといふ物心みるを

つごもりの日になりてなまといふ物心みるを、まだ昼より、ごほごほはたはたとするぞひとり笑みせられてあるほどに、明けぬれば、昼つかた、客人(まらうど)の御方、男なんどたちまじらねば、のどけし、我もののしるをばとなりにききて、

「待たるるものは」


なんど、うちわらひてあるほどに、ある者、手まさぐりに、かいぐりをあしたてて、贄(にへ)にして、木をつくりたる男の、かた足にこゐつきたるに荷なはせて持ていでたるを、とりよせて、ある色紙のはしを脛(はぎ)におしつけて、それに書きつけて、あの御方にたてまつる。

かたこひやくるしかるらん山がつの あふごなしとはみえぬものから

ときこえたれば、海松のひき干しのみじかくおし切りたるを、結ひあつめて、木のさきに荷なひかへさせて、ほそかりつる方の足にもことのこゐをもけづりつけて、もとのよりも大きにて、返したまへり。みれば

やまがつのあふごまちいでてくらぶれば こひまさりけるかたもありけり

日たくれば、節供まゐりなどすめる。こなたにもさやうになどして、十五日にも例のごとして、過ぐしつ。




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