manapedia
蜻蛉日記原文全集「五月にもなりぬ」
著作名: 古典愛好家
1,938 views
マナペディア(manapedia)とは、中学校・高等学校で勉強する科目に特化した、マナビを共有し合う場です。たくさんのテキストの中からあなたにあったマナビを探したり、あなたが学習・勉強してきたマナビを形に残したりすることができます。テキストの内容に関しては、他の参考文献をご覧になり、ご自身の責任のもとご判断・ご利用頂きますようお願い致します。

蜻蛉日記

五月にもなりぬ

五月にもなりぬ。十余日に内裏(うち)の御くすりのことありて、ののしるほどもなくて、廿余日のほどにかくれさせ給ひぬ。東宮、すなはちかはりゐさせ給ふ。東宮の亮(すけ)といひつる人は、蔵人の頭などいひてののしれば、かなしびはおほかたのことにて、御よろこびといふことのみきこゆ。あひしらへなどして、すこし人心地すれど、わたくしの心はなほおなじごとあれど、ひきかへたるやうにさはがしくなどあり。御陵(みささぎ)やなにやと聞くに、ときめきたまへる人々いかにと思ひやりきこゆるに、あはれなり。やうやう日ごろになりて、貞觀殿御方に、

「いかに」


などきこえけるついでに、

世中をはかなき物とみささぎの うもるるやまになげくらんやぞ

御かへりごと、いとかなしげにて、

おくれじとうきみささぎに思ひいる 心はしでの山にやあるらん



このテキストを評価してください。
役に立った
う~ん・・・
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。