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土佐日記 原文全集「海の月」
著作名: 古典愛好家
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海の月

一月八日

八日、障ることありて、なほ同じところなり。
  
今宵、月は海にぞ入る。これを見て、業平の君の
       
「山の端逃げて入れずもあらなむ」

       
といふ歌なむ思ほゆる。もし海辺にて詠まましかば、
      
「波たちさへて入れずもあらなむ」


ともよみてましや。いまこの歌を思ひいでて、ある人の詠めりける、

照る月の流るる見れば天の川 出づる港は海にざりける

とや。     
        
        
        
          
          

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