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枕草子 原文全集「五月の菖蒲の/よく炊きしめたる薫物の/月のいと明きに」
著作名: 古典愛好家
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五月の菖蒲の

五月の菖蒲(さうぶ)の、秋冬すぐるまであるが、いみじうしらみ枯れてあやしきを、ひきをりあげたるに、そのをりの香ののこりてかかへたる、いみじうをかし。


よく炊きしめたる薫物の

よく炊きしめたる薫物の、昨日、一昨日、今日などは、わすれたるに、ひきあげたるに、煙ののこりたるは、ただいまの香よりもめでたし。


月のいと明きに

月のいと明きに、川をわたれば、牛のあゆむままに、水晶などのわれたるやうに、水のちりたるこそをかしけれ。
              
                  
                   

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