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源氏物語 桐壺 その22 源氏、成人の後
著作名: 春樹
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【源氏物語 原文】

大人になりたまひて後は、ありしやうに御簾の内にも入れたまはず。御遊びの折々、琴笛の音に聞こえかよひ、ほのかなる御声を慰めにて、内裏住みのみ好ましうおぼえたまふ。五六日さぶらひたまひて、大殿に二三日など、絶え絶えにまかでたまへど、ただ今は幼き御ほどに、罪なく思しなして、いとなみかしづききこえたまふ。

御方々の人びと、世の中におしなべたらぬを選りととのへすぐりてさぶらはせたまふ。御心につくべき御遊びをし、おほなおほな思しいたつく。

内裏には、もとの淑景舎を御曹司にて、母御息所の御方の人びとまかで散らずさぶらはせたまふ。

里の殿は、修理職、内匠寮に宣旨下りて、二なう改め造らせたまふ。もとの木立、山のたたずまひ、おもしろき所なりけるを、池の心広くしなして、めでたく造りののしる。
 
「かかる所に思ふやうならむ人を据ゑて住まばや」とのみ、嘆かしう思しわたる。
 
「光る君といふ名は、高麗人のめできこえてつけたてまつりける」とぞ、言ひ伝へたるとなむ。
【現代語訳】

元服後の源氏の君は、藤壺の御簾の中に入ることはできませんでした。藤壺の宮が奏でた琴や笛の音に耳を傾け、物越しから聞こえてくるかすかな声を聞くことを慰めにして、宮中での生活ばかりを好ましく思っているようでした。
 
五、六日御所にいて、二、三日妻の実家へ行くなどといった生活を、左大臣も、まだ少年であるからといって咎める様子もなく、婿君として大切に育てていました。源氏の君とその妻に仕える女房にはそれぞれ選りすぐりの者を充て、彼女たちも源氏の君の気に入りそうな遊びを催すなど、心を尽くして世話をしています。
 
帝は、桐壺の更衣が使っていた部屋を源氏の君に与え、そこに使えていた女房たちにそのまま源氏の君の世話をさせていました。桐壺の更衣の実家は、修理職や内匠寮に命じて立派に改築をさせました。もともと風情のある家でしたが、さらに池を大きくし、大騒ぎして立派に造営してありました。
 
源氏は、こんな家に自分の理想の妻と暮らすことができればなと思って、胸を痛めている様子です。
光の君という名前は、高麗人が源氏の君を褒めたたえて付けた呼び名だと言い伝えられているとのことです。

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