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源氏物語 桐壺 その20 源氏元服2
著作名: 春樹
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【源氏物語 原文】

さぶらひにまかでたまひて、人びと大御酒など参るほど、親王たちの御座の末に源氏着きたまへり。大臣気色ばみきこえたまふことあれど、もののつつましきほどにて、ともかくもあへしらひきこえたまはず。

御前より、内侍、宣旨うけたまはり伝へて、大臣参りたまふべき召しあれば、参りたまふ。御禄の物、主上の命婦取りて賜ふ。白き大袿に御衣一領、例のことなり。
 御盃のついでに、
 「いときなき初元結ひに長き世を契る心は結びこめつや」
 御心ばへありて、おどろかさせたまふ。
 
「結びつる心も深き元結ひに濃き紫の色し褪せずは」
 と奏して、長橋より下りて舞踏したまふ。

左馬寮の御馬、蔵人所の鷹据ゑて賜はりたまふ。御階のもとに親王たち上達部つらねて、禄ども品々に賜はりたまふ。

その日の御前の折櫃物、籠物など、右大弁なむ承りて仕うまつらせける。屯食、禄の唐櫃どもなど、ところせきまで、春宮の御元服の折にも数まされり。なかなか限りもなくいかめしうなむ。
【現代語訳】

宴で人々がお酒を飲んでいるところ、源氏の君は親王たちの末席につきました。娘のことを大臣がほのめかしても、若い源氏の君は恥ずかしがって返事をできないでいます。帝のメッセージを内侍が伝えにきたので、大臣はすぐ帝のところへ向かいました。加冠役としての褒美は、命婦が取次ぎました。慣例どおりに、白い大袿(おおうちぎ)と帝のお召し料の服が一揃い贈られました。帝は、大臣に酒杯をつぐときに次のような歌を詠みました。

『幼い子の元服の時に、そなたの娘との末永い愛を約束する気持ちはこめたのか』
と心遣いを見せたのです。

それにはっとした大臣は
『元服のときに結んだ契ですので、源氏の君の心が褪せないのならばどれほど嬉しいことでしょう』と返事を返し、庭に降りて舞を始めました。左馬寮の馬と蔵人所の鷹をその時に受け取りました。その後で、各人が位に応じて禄を受け取りました。

この日の饗宴の席の料理やお菓子などは、皆右大弁の指示によって作られたものでしたが、その数は東宮のときよりも多いものでした。

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