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『紫草のにほへる妹を憎くあらば人妻ゆゑに我恋ひめやも』わかりやすい現代語訳と品詞分解 
著作名: 走るメロス
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はじめに

このテキストでは、万葉集で詠まれている「紫草のにほへる妹を憎くあらば 人妻ゆゑに我恋ひめやも」という歌について説明していきます。

原文

紫草(むらさき)のにほへる妹を憎くあらば 人妻ゆゑに我恋ひめやも

現代語訳

紫草の紫色のように美しいあなたのことを憎いと思っているとしたら、どうして私はあなたのことをこんなにも恋しく思うのでしょうか。あなたは恋をしてはいけない人妻だというのに(憎いとは思っていないから、あなたへの恋心が出てくる)。

解説

この句は、大海人皇子が詠んだものです。大海人皇子は額田王と結婚して、子どももいたのですが、この句を詠んだときには、2人はすでに別れていていました。そして額田王は天智天皇(大化の改新で有名な中大兄皇子のこと。大海人皇子のお兄さん)と恋人関係にありました。

宴会の席で額田王は、大海人皇子との昔の関係をネタにして次のような句を詠んできました。



もちろん、いじわるをしているのではなく額田王の遊び心です。これに返事をしたのが、「紫草のにほへる妹を憎くあらば 人妻ゆゑに我恋ひめやも」という句でした。

美しいあなたは私の妻ではなく、もう違う人(天智天皇)の妻である。別れたあなたのことを未だに憎いと思っていたら、あなたのことを恋しく思うことはないでしょう。しかし、人妻であるあなたのことを未だに恋しく思うのは、あなたのことを憎んではいないからです。


もちろんこれも宴会の席でのネタです。ちなみにこの宴会には、天智天皇もいたとされています。今の旦那さんの前で、このように昔の関係をネタにできるというところに、3人の信頼関係を感じることができますね。

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