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枕草子『五月ばかりなどに(山里に歩く)』わかりやすい現代語訳と解説
著作名: 走るメロス
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はじめに

このテキストでは、清少納言が書いた枕草子の中から「五月ばかりなどに」(五月ばかりなどに山里にありく、いとをかし〜)の現代語訳・口語訳とその解説をしています。

この段では、牛車の乗って出かけたときに感じたことを述べてあります。"牛車に乗って出かけている"ここがポイントですので、イメージしておきましょう。

原文

五月ばかりなどに山里に(※1)ありく、いとをかし。草葉も水もいと青く見えわたりたるに、上はつれなくて草生ひ茂りたるを、ながながとたたざまに行けば、下は(※2)えならざりける水の、深くはあらねど、人などのあゆむに走り上がりたる、いとをかし。

左右にある垣にあるものの枝などの、車の屋形などにさし入るを、急ぎてとらへて折らむとするほどに、ふと過ぎてはづれたる(※3)こそ、いと口惜しけれ。蓬の、車に(※4)押しひしがれたりけるが、輪の回りたるに、近ううちかかりたるもをかし。

現代語訳(口語訳)

五月の頃などに山里を(牛車で)移動するのは、大変趣がある。草葉も水もたいへん青く一面に見えている中で、表面は何の変化もなくて草木が生い茂っているところを、長々とまっすぐに行くと、草木の下にはなんともいえないほどきれいな水があって、深くはないのだけれど、人などが歩くときに(水が)はね上がるのは、趣がある。

(道中で)左右の垣にある何かの枝が、牛車の屋形(人が乗っているところ)に入ってくるのを、急いでつかまえて折ろうとするうちに、さっと過ぎて(枝が手から)離れてしまったのは、たいそう残念である。蓮で、牛車に押しつぶされたものが、(牛車の)車輪がまわるにつれて、(窓の)近くに(押しつぶされた蓮があがってきて)掛かるのは趣があってよい。

品詞分解

※品詞分解:枕草子『五月ばかりなどに』の品詞分解

単語・文法解説

(※1)ありく「歩く」などの意味もあるが、ここでは「行き来する/移動する」の意味で訳す
(※2)えならずなんとも言えないほど素晴らしい、並大抵ではない
(※3)こそ~けれ係り結びの法則。「こそ」には已然形がつく
(※4)(押し)ひしがれたりけるガ行四段活用「(押し)ひしぐ」の未然形+受身の助動詞「る」の連用形+完了の助動詞「たり」の連用形+過去の助動詞「けり」の連体形


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