|
|
|
![]() |
徒然草『名を聞くより』 わかりやすい現代語訳と解説・品詞分解 |
著作名:
走るメロス
100,197 views |
『名を聞くより』
このテキストでは、兼好法師の書いた徒然草の中の「名を聞くより」(名を聞くより、やがて面影は推し量らるる心地するを〜)の現代語訳・口語訳とその解説をしています。
読む前に知っておきたい
この話で筆者は、2つのメッセージを発信している。1つは、「イメージしていたものと実際に会ったのとでは違うことがよくある」、そしてもう1つは、「今人がしゃべっていること、目に見えている物、自分の心の中で思うことは、初めてのはずなのに、デジャブのように、昔こんな光景があった気がするなぁと思ってしまうことが多々ある」である。そのことを念頭に読んでみよう。
原文
名を聞く(※1)より、やがて面影は(※2)推し量らるる心地するを、見る時は、また、かねて思ひつるままの顔したる人(※3)こそなけれ。昔物語を聞きても、この比(ごろ)の人の家のそこほどにて(※4)ぞありけんと覚え、人も、今見る人の中に(※5)思ひよそへらるるは、誰もかく覚ゆる(※6)にや。
また、如何なる折ぞ、ただ今、人の言ふ事も、目に見ゆる物も、我が心の中に、かかる事のいつぞやありしかと覚えて、いつとは思ひ出でねども、まさしくありし心地のするは、我ばかりかく思ふにや。
現代語訳
名前を聞くやいなや、ただちに(その人の)顔つきは自然と推察されるような気がするが、(実際に)会うときは、同じように、前もって想像していたままの顔をしている人はいないものだ。昔の物語を聞いても、(物語の舞台となった場所は)現在のあの人の家のそこらあたりであっただろうと思われ、(その物語に登場する)人も、現在見る人の中(の誰か)に自然となぞらえて思われるのは、(私ばかりではなく)誰もこのように思われるのであろうか。
また、どのようなときであったか、今、人が言うことも、目に見える物も、自分の心の中で思っていることも、このようなことはいつだったかあった気がするなと思えて、(それが)いつとは思い出せないが、間違いなくあった気がするのは、私だけがこう思うのであろうか。
■次ページ:品詞分解と単語解説
1ページ
|
前ページ
|
1/2 |
次ページ |
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
枕草子『はしたなきもの』わかりやすい現代語訳と解説
>
伊勢物語『筒井筒』(まれまれかの高安に来てみれば〜)わかりやすい現代語訳と解説
>
源氏物語 桐壺 その5 母御息所の死去2
>
伊勢物語『あらたまの年の三年をまちわびてただ今宵こそ新枕すれ』わかりやすい現代語訳・解説と品詞分解
>
『世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし』 意味と文法・品詞分解
>
最近見たテキスト
![]() |
徒然草『名を聞くより』 わかりやすい現代語訳と解説・品詞分解
10分前以内
|
>
|
デイリーランキング