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『登鸛鵲楼(かんじゃくろうに登る)』書き下し文・現代語訳(口語訳)と文法解説 王之渙
著作名: 走るメロス
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はじめに

ここでは、中国の詩人、王之渙の詠んだ漢詩「登鸛鵲楼((※1)鸛鵲楼に登る)」の原文(白文)、書き下し文と現代語訳・口語訳、文法解説を記しています。

原文(白文)

※左から右に読んでください。

白 日 依 山 尽
黄 河 入 海 流
欲 窮 千 里 目
更 上 一 層 樓

書き下し文

白 日 依 山 尽
白日、山に依りて尽き
はくじつ、やまによりてつき

黄 河 入 海 流
黄河、海に入りて流る。
こうが、うみにいりてながる

欲 窮 千 里 目
千里の目を窮めんと欲し
せんりのめをきわめんとほっし

更 上 一 層 樓
更に上る一層の楼。
さらにのぼる、いっそうのろう

現代語訳

(※2)白 日 依 山 尽
輝く太陽が、山に寄り添って沈んでいき

黄 河 入 海 流
黄河は、海に向かって流れている。

欲 窮 (※3)千 里 目
(この雄大な景色を)千里先まで見渡したいと思い

更 上 一 層 樓
更に1つ上の階へと(楼閣を)登った。

単語

(※1)鸛雀樓「かんじゃくろう」建物の名前
(※2)白日輝く太陽。2句目の「黄」河との色の対比を感じること
(※3)千里目千里彼方まで見渡せる眺め


文法

形式:五言絶句

4つの句からなる詩を絶句(ぜっく)といい、8つの句からなる詩を律詩(りっし)といいます。例えばこの詩では、「白日依山尽」を1句と考えます。この句は4つの句からなるので絶句です。

また、絶句のうち1つの句が5文字からなるものを五言絶句(ごごんぜっく)といい、1つの句が7字からなるもの七言絶句(しちごんぜっく)といいます。

以上から、この句は「五言絶句」となります。

押韻:流・楼

押韻(おういん)とは、漢詩を読んだ時に一定のリズムが出るように、同じ響きの言葉を句の最後に置くことです。例えばこの詩では、

流(ryu)、楼(rou)

が該当します。カッコの中は日本語の音読みです。だいたいが日本語の音読みで判別することができますが、本来は、作者が生きた時代の発音で韻を踏んでいるかどうかを確認します。よって、今回のように日本語の音読みだけでは判別ができない押韻も存在します。

押韻にはルールがあります。五言絶句では、原則、第2句と第4句に同じ響きの言葉が置かれます。

対句

対句とは、句を強調するために、形や語感が似たペアの句を作る技法です。ペアとなる句は、文法構造や用いている文字が呼応しているなどの特徴があります。五言絶句では必ずしも用いなくてもよい技法ですが、この漢詩では以下が対句となります。

第1句と第2句

白 日 依 山 尽
黄 河 入 海 流

※「白」と「黄」の色の対比。
※「日」と「河」の景色の対比。
※「依」と「入」の動作の対比。
※「山」と「海」の景色の対比。
※「尽」と「流」の動作の対比。

第3句と第4句

欲 窮 千 里 目
更 上 一 層 樓

※「千」と「一」の数字の対比。

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