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『九月九日憶山東兄弟(九月九日山東の兄弟を憶う)』わかりやすい現代語訳(口語訳)と解説 王維
著作名: 走るメロス
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はじめに

ここでは中国の官僚・詩人王維の詠んだ漢詩「九月九日憶山東兄弟」の原文(白文)、書き下し文、現代語訳・口語訳、文法解説を記しています。

九月九日は重陽と言って、五節句のひとつです。当時は菊の花をいれたお酒を酌み交わし、高台へとピクニックに行く習慣がありました。故郷からはなれて一人で九月九日をむかえた王維の気持ちが、この句には表れています。

漢文(白文)

※左から右に読んでください。

独 在 異 郷 為 異 客
毎 逢 佳 節 倍 思 親
遥 知 兄 弟 登 高 処
遍 挿 茱 萸 少 一 人

書き下し文

独 在 異 郷 為 異 客
独り異郷に在りて異客と為る
ひとりいきょうにありて いかくとなる

毎 逢 佳 節 倍 思 親
佳節に逢う毎に倍親を思う
かせつにあうごとに ますますしんをおもう

遥 知 兄 弟 登 高 処
遥かに知る兄弟高きに登る処
はるかにしる けいていたかきにのぼるところ

遍 挿 茱 萸 少 一 人
遍く茱萸を挿して一人を少くを
あまねくしゅゆをさして いちにんをかくを

現代語訳

独 在 異 郷 為 異 客
一人で異国におり、旅人の身となっている

毎 逢 佳 節 倍 思 親
節句がくるたびに、よりいっそう親兄弟のことが思いやられる

遥 知 兄 弟 登 高 処
はるかに(故郷のことを)思い浮かべる。兄弟たちは高台へとのぼり

遍 挿 茱 萸 少 一 人
みな茱萸(の枝)を(頭に)挿すが、(その輪に、私)一人が欠けているのを

文法解説

形式:七言絶句

4つの句からなる詩を絶句(ぜっく)といい、8つの句からなる詩を律詩(りっし)といいます。例えばこの詩では、「独在異郷為異客」を1句と考えます。この句は4つの句からなるので絶句です。

また、絶句のうち1つの句が5文字からなるものを五言絶句(ごごんぜっく)といい、1つの句が7字からなるもの七言絶句(しちごんぜっく)といいます。

以上から、この句は「七言絶句」となります。

押韻:親・人

押韻(おういん)とは、漢詩を読んだ時に一定のリズムが出るように、同じ響きの言葉を句の最後に置くことです。この詩では、

親(Shin)、人(Jin)

が該当します。カッコの中は日本語の音読みです。だいたいが日本語の音読みで判別することができますが、本来は、作者が生きた時代の発音で韻を踏んでいるかどうかを確認します。よって、日本語の音読みだけでは判別ができない押韻も存在します。

押韻にはルールがあります。七言絶句では、原則として第1句、第2句、第4句に同じ響きの言葉が置かれます。この詩は例外で、第2句と第4句のみが押韻となっているので注意しましょう。

対句

なし。

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