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古代ローマの歴史 4 ローマ帝国のはじまりと五賢帝時代
著作名: ピアソラ
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ローマ帝国のはじまり


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アクティウムの海戦で宿敵ポンペイウスを倒したオクタヴィアヌスがローマに凱旋した後、紀元前27年元老院は、アウグストゥス(尊厳者)という称号を与えました。

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(オクタヴィアヌス)

オクタヴィアヌスは以下のように、ローマのほぼすべての権力を握ります。

権力内容
インペラトル最高軍司令官
属州総督命令権紀元前23年に拡大し、すべての属州に対する権限
執政官最高政務官
護民官職権護民官の職権
戸口調査官人口調査の権限
最高神官ローマ宗教の最高位
元老院首席元老院の高位称号
元首(プリンケプス)第一の市民の意
アウグストゥス(尊厳者)のちに歴代皇帝の称号


このように、共和制ローマにおける軍事・行政・司法・属州管理におよぶ強力な権限を手にしたオクタヴィアヌスによって、紀元前27年、事実上の帝政がはじまります。

「事実上」と表現したのには理由があります。

オクタヴィアヌスは、権限を持ったものの、養父カエサルのような共和派による暗殺を恐れていたんですね。

そのため、民会や元老院にも意見を出させ、自らプリンケプス(第一の市民・元首)という呼称を使い、表面上、共和制を尊重する態度を取ります。

プリンケプス(元首)による統治体制をプリンキパトゥス(元首政)といい、ローマ帝国(帝政ローマ)がはじまったのです。


元首政の確立と五賢帝

アウグストゥス(オクタヴィアヌス)は40年近くに渡りローマを統治し、その死後、養子のティベリウス(在位14~37)に元首の地位が引き継がれます。

ティベリウスは、国内整備と周辺防備に力を注ぎ、帝政の確立していきます。

イエス=キリストの誕生とキリスト教の布教、処刑が行われたのが、このティベリウスの治世でした。


ティベリウス以降、暴君として名高い第3代カリグラや第5代ネロなどの皇帝も現れますが、元首政に基づく帝政ローマは、安定した社会になっていきます。

ネロは、64年に起ったローマ大火の責任をキリスト教徒に押し付け、大迫害を行いました。この際、キリストの使徒ペテロとパウロが殉教します。


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(ローマ大火とネロ帝)

五賢帝時代

96年に第12代皇帝ネルヴァが即位すると、ローマ帝国は五賢帝時代を迎えます。元首政の始まりから五賢帝の時代までの200年間をパクス=ロマーナ(ローマの平和)といい、元首政のもと安定した社会が成立し、優れた5人の皇帝により、ローマは全盛期となります。

ネルヴァ(在位96~98)

五賢帝時代のさきがけとなった、第12代ローマ皇帝です。
養子にトラヤヌスを迎え入れ、全権を委任しました。

トラヤヌス(在位98~117)

ヒスパニア出身で、初の属州出身の皇帝となります。
ダキア(現在のルーマニア)や東方のパルティアと戦い、ローマ帝国の最大版図を実現します。

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(ローマ帝国の最大版図)

ローマ帝国の拡大とともに、各地に軍の駐屯地ができ、これがロンディニウム(ロンドン)、ルティティア(パリ)、マッシリア(マルセイユ)、ウィンドボナ(ウィーン)などの都市に発展していきます。


ハドリアヌス(在位117~138)

トラヤヌス帝の拡大路線を放棄し、属州の発展と国内の整備に力を注ぎます。
ブリタニア(現在のイギリス)にハドリアヌスの長城を築きます。

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(ハドリアヌスの長城)

アントニヌス=ピウス(在位138~161)

軍事行動をあまり行わず、平和な時代を築いた皇帝です。
国内では、財政改革や貧民救済事業を行いました。

マルクス=アウレリウス=アントニヌス(在位161~180)

五賢帝最後の皇帝です。
この時代になると、北方のゲルマンや東方のパルティアなど、外敵との抗争に対応しなければなりませんでした。
禁欲主義のストア派の哲学者でもあり、『自省録』という哲学書を書いています。
中国に使者を出したとされ、『後漢書』内に「大秦王安敦」と記されています。

マルクス=アウレリウス=アントニヌスの死後、彼は養子ではなく、実子を後継者としました。
次のコンモドゥス帝は暗殺され、ローマ帝国は再び混乱していきます。

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