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『むすぶ手のしずくににごる山の井の あかでも人に別れぬるかな』現代語訳と解説
著作名: 走るメロス
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はじめに

このテキストでは、古今和歌集で詠まれている「むすぶ手のしずくににごる山の井の あかでも人に別れぬるかな」という歌について説明していきます。

原文

むすぶ手のしずくににごる山の井の あかでも人に別れぬるかな

現代語訳

両手ですくった水が手からこぼれ落ちています。その雫は山の水場におちていきますが、雫がおちただけでにごってしまうほど、山の水場は浅いです。そのために満足に水を飲むことができません。それと同じように、満足いくほどあなたとお話ができずに別れてしまったことが残念です。

解説

この歌は、土佐日記で有名な紀貫之が旅の途中に詠んだものです。旅で山を登っている途中、水のみ場で女性が水を飲んでいるところを目にします。その女性と親しくなれないまま別れてしまったことが残念だという気持ちを表した歌なんですね。

「むすぶ手のしづくににごる山の井の」は「あか」を引き出す序詞となっています。「あか」は掛詞ですね。

「あか」とは「仏壇にそなえる水」と「飽か」(飽きる)をかけています。仏壇におそなえする水はほんのちょびっとですから、それと同じぐらい水のみ場の水の量が少ないということと、女性と飽きるまで話したかったという気持ちをかけているわけです。



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