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竹取物語『かぐや姫の昇天』(立てる人どもは~)の現代語訳
著作名: 走るメロス
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竹取物語『かぐや姫の昇天』

このテキストでは、竹取物語の中の"かぐや姫の昇天"の「立てる人どもは~」から始まる部分の現代語訳・口語訳をしています。書籍によっては『天の羽衣』と題するものもあるようです。

※前回のテキスト:「かかるほどに、宵うち過ぎて〜」の現代語訳

原文

立てる人どもは、装束の清らなること、(※1)物にも。飛ぶ車一つ具したり。羅蓋さしたり。その中に王とおぼしき人、家に、

「造麻呂、まうで来


と言ふに、猛く思ひつる造麻呂も、物に酔ひたる心地して、うつぶしに伏せり。

いはく、

「汝、幼き人、いささかなる功徳を翁つくりけるによりて、汝が助けにとて、片時のほどとて下ししを、そこらの年頃、そこらの黄金賜ひて、身を変へたるがごとなりにたり。かぐや姫は、罪をつくり給へりければ、かくいやしきおのれがもとに、しばし(※2)おはしつるなり。罪のかぎり果てぬれば、かく迎ふるを、翁は泣き嘆くあたはぬことなり。はや返し奉れ。」


と言ふ。翁答へて申す、

「かぐや姫を養ひ奉ること二十余年になりぬ。『片時』とのたまふに、あやしくなりはべりぬ。また異所にかぐや姫と申す人ぞおはしますらむ。」


と言ふ。

「ここにおはするかぐや姫は、重き病をし給へば、え出でおはしますまじ。」


と申せば、その返り事はなくて、屋の上に飛ぶ車を寄せて、

「いざ、かぐや姫。きたなき所にいかで久しくおはせむ。」


と言ふ。立て籠めたる所の戸、すなはちただ開きに開きぬ。格子どもも、人はなくして開きぬ。嫗抱きたるかぐや姫、外に出でぬ。(※3)えとどむまじければ、たださし仰ぎて泣きをり。

つづき
「竹取、心惑ひて~」の現代語訳

現代語訳(口語訳)

(空に)立っている人たちは、装束の華麗なことは、他に似ているものがないほどです。(彼らは)空に飛ぶ車(山車)を一台伴っています。(車には)薄衣の衣笠がさしかけてあります。その中には王様と思われる人が(乗ってましたが)、家に向かって、

「造麻呂よ、出て参れ。」


と言うと、(先ほどまで)勇ましく思っていた造麻呂も、何か物に心を奪われた気分がして、うつぶせに伏せています。(王様らしき人が)言うことには、

「お前、愚かな者よ、少しばかりの善行を翁(お前)がしたことによって、お前の助けにと、少しの間と思って(かぐや姫をお前のところに)下ろしたのに、多くの年月の間に、(竹の中から)たくさんの黄金を頂いて、(お前は)その身が変わったかのように(裕福に)なってしまった。かぐや姫は、(天界で)罪をお作りになったので、このように身分の低いお前のところに、しばらくいらっしゃったのだ。罪を償う期限が終わったので、こうして呼び寄せるのを、翁は泣き悲しんでいる。(泣き悲しんでも引き止めることは)できないことなのだ。早く(姫を)お返し申し上げよ。」


と言います。翁が答えて申しあげるには、

「かぐや姫をお育て申し上げて20年あまりになります。(この20年のことを)少しの間と仰るので、(本当にかぐや姫のことを言っているのか)疑わしくなりました。(あなた様が迎えにきたかぐや姫というのはここにいるかぐや姫ではなく、)また別の所に、かぐや姫と申す人がいらっしゃるのでしょう。


と言います。

「ここにいらっしゃるかぐや姫は、ひどい病気にかかっていらっしゃるので、(外に)出ていらっしゃることはできないでしょう。」


と申し上げると、その返事はなく、屋根の上に飛ぶ車を寄せて

「さあ、かぐや姫。(このような)けがれたところになぜ長い間いらっしゃるのですか(、いらっしゃれるはずがありません)。」


と言います。(すると)締め切っていた戸が開いて、たちまちすべて開いてしまいました。格子なども、人の手なしに開いてしまいました。おばあさんが抱いて座っているかぐや姫は、外に出てしまいました。引き止めることができそうにないので、(おばあさんは、)ただ仰ぎ見て泣いています。

※つづき:「竹取、心惑ひて~」の現代語訳
次ページ:品詞分解と単語文法解説


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